RosendahlのKaren Blixenシリーズは、デンマークを代表する作家のひとりにちなんで名づけられ、デンマークの家庭に伝わる小さな飾りをメッキの金属で表現しています。本記事では、そのかたちの由来、とりわけ紙のコーンと花に注目し、折り紙や庭の草花のフォルムを、長く手元に置いておくためのオブジェへとどのように置き換えているのかを見ていきます。
デンマークの作家の名を冠したシリーズ
出発点はシンプルです。このシリーズは、あるデンマーク人作家の家庭に伝わる飾りをもとにしています。手づくりの季節の飾りで、多くのデンマークの家庭では毎年同じ時期に取り出し、季節が過ぎればまたしまっておくようなものです。Rosendahlはすべてのアイテムに Karen Blixen の名を残しており、現在のカタログには花やコーンから星形のキャンドルカフまで、17点のKaren Blixen製品がそろっています。
これらをひとつにまとめているのは、特定のモチーフではなく、つくり方の考え方です。どのデザインも、本来なら手で切ったり、折ったり、摘んだりするかたちを取り上げ、そこに長く変わらない金属の表面を与えています。仕上げはシルバーメッキとゴールドメッキの2種類のみ。いくつかのデザインは両方の仕上げで展開されているので、ひとつのアレンジメント全体をどちらかの金属でそろえることも、あえて2色を組み合わせることもできます。
その仕上がりは、ジュエリーと住まいの装飾のちょうど中間にあります。高さは1桁から10数センチほどの小さなもので、サイドボードの上、窓辺、整えた食卓、あるいはすでに持っているほかのオブジェのあいだなど、近くでじっくり眺めるためにつくられています。

紙のコーン:折り紙からメッキの金属へ
紙のコーンほど、デンマークの季節の習慣に深く根ざしたかたちはそう多くありません。デンマーク語ではkræmmerhus(クレマーフス)と呼ばれ、紙や厚紙でつくる小さな円すい形の入れ物で、多くは飾りが施され、吊るしてお菓子やナッツ、ちょっとしたおやつを入れます。キッチンテーブルでこれをつくるのは、紙のハートを切って編むのと並んで、デンマークの12月におなじみの光景です。コーンのかたちには実用的な理由もあります。すぐに折れて、ふたがなくても中身がこぼれず、とがった先端のおかげでリボンからきれいに吊るせるのです。
Karen Blixen Paper cone H8.5は、その輪郭はそのままに素材を変えています。紙のコーンがやわらかく、ひと季節でおしまいになるのに対し、メッキのコーンはシャープなエッジを保ち、毎年くり返し飾ることができます。シルバーメッキとゴールドメッキがあり、H8.5というサイズは、もとになった手づくりのコーンに近いスケールです。ひとつだけなら控えめで小さなアクセントに、いくつかを吊るしたり並べたりすると、コレクションのような趣が生まれます。
より大きなKaren Blixen Candy Cornet H15,6 Silver Platedは、同じ発想をH15,6のサイズで展開したものです。その名のとおり入れ物としてのコルネで、コーンにお菓子を詰める昔ながらの習慣にもっとも直接つながるかたちです。仕上げはシルバーメッキのみ。ここで紹介するほかのデザインより背が高く、グループの中心となる存在にふさわしく、コーンの伝統を実際に使えるオブジェへともっとも明確に受け継いでいます。

金属の花:重なる花びらとボールフラワー
シリーズのもうひとつの柱は花です。テーブルに飾る切り花、本にはさんだ押し花、お祝いのためにつくる紙の花など、花は昔からデンマークの家庭で季節を彩る存在でした。Karen Blixenの花は、これを2つの方向に展開しています。
Karen Blixen Flower in layers H11.5は、花びらを何層にも重ねて組み立てられており、そばを通るたびにかたちの見え方が変わり、光が一層ずつとらえられていきます。メッキの金属はこの造形によく合います。花びらの縁がハイライトを拾い、層と層のすき間は影に沈むからです。H11.5はここで取り上げる花のなかでもっとも大きく、シルバーメッキとゴールドメッキの両方があります。

Karen Blixen Ball Flower H6.5は、よりコンパクトで彫刻的なデザインです。層になって外へ開くのではなく、花びらが丸いかたちに集まり、平らに咲いた花というよりつぼみや小さなブーケに近い印象です。H6.5はこのセレクションでいちばん小さく、背の高いアイテムのあいだを埋めたり、一列にくり返し並べたりするのに重宝します。重なる花と同じく、シルバーメッキとゴールドメッキがあります。
2つの花を並べてみると、このシリーズの手法がよくわかります。どちらも実際の植物を細部まで写し取ろうとはしていません。なじみのあるかたちを、金属で成立するすっきりとした、くり返し使える輪郭へと削ぎ落としており、それはコーンの扱い方とも共通しています。

シルバーとゴールド、そして小さなもののスケール
どれも小さなアイテムなので、見た目の印象の大部分は仕上げの選択で決まります。シルバーメッキはクールな印象で、ガラスや白い磁器、スチール、明るい色の木によくなじみます。ゴールドメッキはあたたかみがあり、真鍮のキャンドルホルダーや琥珀色のガラス、濃い色の木、キャンドルの灯りと好相性です。シリーズにはゴールドメッキのCandle cuff Star H3もあり、同じデザイン言語をキャンドルそのものへと広げる小さなアイテムです。
もうひとつ考えておきたいのが高さです。ここで紹介したデザインは、Ball FlowerのH6.5からCandy CornetのH15,6まで、その間にPaper coneのH8.5とFlower in layersのH11.5があります。この幅があるので、はっきりとした頂点をもち、そのまわりに小さなアイテムがリズムよく並ぶグループを簡単に組むことができます。実践的な方法としては、まず金属をひとつに決め、いちばん背の高いアイテムから置き、高さの異なる小さなものを2~3点加えること。そうすると視線がひとつのオブジェにとどまらず、グループ全体を流れるように動きます。
くり返しも効果的です。同じペーパーコーンを3つ一列に並べると、ミックスしたグループにはない落ち着いた、どこか建築的な雰囲気が生まれ、折った紙の輪郭も読み取りやすくなります。
Karen Blixenシリーズのある暮らし
これらのアイテムの魅力は、毎年つくり直さなくても、手仕事の伝統を目に見えるかたちで残してくれるところにあります。キッチンテーブルでつくった紙のコーンは、数週間は愛らしくても、やがてなくなってしまいます。メッキのコーンなら、毎シーズン同じ飾りと一緒に取り出せるので、もとの紙の飾りがそうであったように、少しずつその家ならではの習慣の一部になっていきます。
特定の季節にかぎらず使いやすいのも魅力です。本棚に置いたゴールドメッキの花や、ドレッサーで小物を入れるシルバーのコルネは、一年のどの時期でもよく考えられたしつらえに見えます。使わない時期はメッキの表面の輝きを保つためにやわらかな布で包んで保管し、花びらやコーンの先端ではなく、底の部分を持って扱いましょう。
これから集めはじめるなら、Paper coneとFlower in layersは自然な組み合わせです。ひとつはシリーズの「折り紙」の流れを、もうひとつは「花」の流れを代表しており、どちらもシルバーとゴールドの両方から選べます。スケール感を出すにはBall Flowerを、背の高いセンターピースがほしいときはCandy Cornetを加えてみてください。花器やキャンドルホルダー、そのほかのオブジェとの組み合わせを見るなら、Home Decor & Objects コレクションをご覧ください。
