9903_9903_LC-Shutters-White-01-2-5-91510.png LC Shutters Pendant by Louise Campbell for Louis Poulsen, white punched aluminium bell shade
on October 08, 2026

LC Shuttersペンダント:ルイーズ・キャンベルが打ち抜きアルミで描く光

部屋の向こうから眺めると、LC Shutters Pendantは飾り気のない白いベルのように見えます。近づいてみると、表面は小さな切り込みのフラップで覆われ、ひとつひとつがわずかに外へ開いているのがわかります。本記事では、このシャッターが果たす役割、ルイーズ・キャンベルがそこに行き着いた経緯、そしてこのランプが住まいのどこで真価を発揮するのかを見ていきます。

一枚の板から考えるデザイナー

ルイーズ・キャンベルは1970年、デンマーク人の父とイギリス人の母のもとコペンハーゲンに生まれました。遊び心を工業的な規律で引き締める実験的な作風で知られています。LC Shuttersに先立ち、彼女はルイスポールセンのためにCollageペンダントをデザインしていました。切り抜き模様を幾層にも重ね、光を細かな断片に散らすシェードです。2012年に登場したLC Shuttersは、同じ問いに対するより厳格な答えといえます。目を守る役割を失わずに、ランプシェードをどこまで開けるのか、という問いです。

ここでの答えは「ごくわずかに、きわめて正確に」です。シェードは一枚の平らなアルミニウム板から始まります。小さなシャッターのパターンを打ち抜き、型押ししたあと、板をベル形にプレス成形します。模様のために後から加える部品はなく、装飾と構造は同じ一枚の金属です。これこそが工業的な規律の実践であり、このランプが装飾品というより、よくできた道具に近い印象を与える理由です。

ルイーズ・キャンベルによるLC Shuttersペンダント(ホワイト)。小さなシャッターを打ち抜いたベル形のアルミニウムシェード
ホワイトのLC Shutters。ベルは打ち抜いたアルミニウム板一枚からプレス成形され、内側にオパールディフューザーを備えています。

シャッターは光をどう扱うのか

シャッターの一枚一枚は、三辺を切って少し外側へ押し出した小さな金属の舌片です。取り除くのではなく傾けているため細い開口が生まれ、光は斜めにしか通り抜けられません。下や横からシェードを見ると、目に入るのはほとんどがフラップの白い面で、その奥の光源ではありません。シェードは目に対しては閉じたまま、光だけを通すのです。

内部では光源をオパールディフューザーが包んでおり、これがデザインのもう半分です。ディフューザーが光をシャッターに届く前に和らげるため、開口から漏れる光ははじめから穏やかです。グレアのない設計で、実際に使ってみてもその通り。真下に座って見上げても、目を細める必要はありません。ベルの開いた底から落ちる光は広く均一で、シャッターからは柔らかな光の点が細かな模様となって壁や天井に広がります。

この二面性が、ランプに二つの表情を与えています。昼間、明かりを消していれば、近づいて初めて質感に気づく静かな彫刻的オブジェ。日が暮れると周囲の空間が変わり、天井には光の点が散らばり、下のテーブルには顔や料理を心地よく照らす澄んだ光が落ちます。精密な光の模様と確かなグレアコントロールを両立するペンダントは多くありません。それを可能にしているのが、傾けたシャッターとオパールディフューザーの組み合わせです。

コペンハーゲン、アマー島の個人邸に吊るされたLC Shuttersペンダントランプ
コペンハーゲン、アマー島の個人邸に灯るLC Shutters。

素材、サイズ、重量

仕様は簡潔で、わずかな部品で構成されたランプにふさわしいものです。

  • シェード:プレス成形アルミニウム、打ち抜き・型押し加工。
  • サスペンション:粉体塗装、射出成形アルミニウム。
  • ディフューザー:オパール、光源を包む構造。
  • サイズ:幅440 mm、高さ301 mm、奥行440 mm。
  • 重量:3.8 kg。
  • コード:3 m、白の樹脂製、キャノピー付き。

幅440 mm、高さ301 mmのLC Shuttersは高さより幅が大きく、テーブルの上で低いシルエットを保ちます。展開は一種類のみなので、サイズに悩む必要はありません。考えるべきは、そのプロポーションがテーブルと天井に合うかどうかだけです。3.8 kgという重さは、シェード全体が金属でできていることの表れです。揺れたりカタカタ鳴ったりしない頑丈なオブジェですが、そのぶん天井への取り付けはしっかりしている必要があります。これは電気工事士なら当然確認してくれる点です。

ShuttersとEnigma:目を守る二つの方法

LC Shuttersをよく知るには、ほぼ同じ幅でありながら、グレアの問題を正反対の方法で解決したルイスポールセンのもう一つのペンダントと並べてみるのが近道です。2003年に発表された内山章一のEnigma Pendantは、ソリッドなシェードの代わりに、ほとんど見えないほど細いステンレスワイヤーで同心円状のアクリルディスクを吊るしています。各ディスクはグレアを和らげ、光を下へ導く位置に配置され、光そのものが目に見える構造になります。2018年にはマットブラックが加わりました。

LC Shuttersが光のコントロールを一枚のプレス面に織り込んでいるのに対し、Enigmaはそれを空気を挟んだ別々の層に分散させています。その違いは重さに表れます。Enigma Ø425は直径422 mm、高さ740 mmながら、重量はブラッシュドアルミニウムで2.4 kg、ブラックで2.7 kg。容積の大半が空間であるため、直径の割にとても軽いのです。より広い部屋向けには、大きなØ545とØ825もあります。

LC Shutters PendantEnigma Pendant Ø425
デザイナーと発表年ルイーズ・キャンベル、2012年内山章一、2003年
サイズ(mm)440 x 301 x 440422 x 740 x 422
重量3.8 kg2.4 kg(アルミニウム)、2.7 kg(ブラック)
シェード打ち抜き・型押ししたプレス成形アルミニウム、オパールディフューザーステンレスワイヤーに吊るしたマットアクリルディスク、アルミニウムコーン
グレアコントロール傾けたシャッターとディフューザー光を下へ導く積層ディスク
向いている空間テーブルの上の低く確かな存在感、壁に描く光の模様照明に視覚的な場所をあまり取らせたくないオープンプランの部屋や階段室

低いシルエットで手触りを感じさせる閉じたオブジェと、部屋に表情を与える光の模様を求めるならLC Shuttersを。背が高く透明感があり、消灯時にはほとんど姿を消すようなものが空間に合うならEnigmaを選びましょう。

内山章一によるEnigma Pendant Ø425(ブラック)。細いワイヤーに吊るした同心円状のアクリルディスク
ブラックのEnigma Ø425。ディスクはワイヤーで吊られ、ランプの大部分は空気です。

LC Shuttersが活きる場所

まず思い浮かぶのはダイニングテーブルやキッチンアイランドの上です。天板から60–70 cmほどの高さに吊るせば、オパールディフューザーが顔をきれいに見せる光を届け、テーブルにつく誰からも光源が見えません。低く幅広のベルはこの高さにすっきりと収まり、テーブル越しの視線を遮りません。

一台のLC Shuttersが実用と装飾の両方の役割を担うため、一灯で何役もこなす必要があるコンパクトなリビング・ダイニングに向いています。こうした状況については、小さな住まいのためのデザイナー照明のガイドで詳しく取り上げています。よりプライベートな部屋にもよくなじみ、子ども部屋から役員室まで幅広く使えます。頑丈なアルミニウムシェードは、どちらの環境にもよく耐えます。

光の点が映る面を用意してあげましょう。ランプから少し離れた明るい色の壁や天井なら模様がはっきり見えますが、暗い天井や遠すぎる天井では消えてしまいます。長いテーブルの上に二台吊るす場合は、模様が混ざり合ってただの明るさにならないよう、それぞれの模様が読み取れる間隔をとってください。

デンマーク、リーセライエのサマーハウスでテーブルの上に吊るされたLC Shuttersペンダント
デンマーク、リーセライエのサマーハウスに灯るLC Shutters。

LC Shuttersは、デンマークの名作照明とも、切り込みのシャッターではなく手作業で組み立てたセルでシェードを構成するPatera Pendantのような球体のデザインとも、無理なく並びます。ポール・ヘニングセンの多層シェードから新しい彫刻的な作品まで、ほかのラインナップと比べてみるなら、ペンダントランプのコレクションをご覧ください。