Lyngby PorcelænのFlowerシリーズが投げかけるのは、シンプルな問いです。花瓶が花を挿す器であることをやめ、花そのものになったらどうなるのか。デンマークの陶芸家マリアンネ・ニールセンは、デンマークで親しまれている花をそれぞれモチーフにした、平たい4つの磁器のかたちでその問いに応えました。この記事では、デイジー、パンジー、アサガオ、キンポウゲの4種がどう違うのか、そしてその薄いプロポーションが住まいのどこで活きるのかを見ていきます。

花の顔をかたどった花瓶
多くの花瓶は、胴、肩、首という縦の軸を中心に組み立てられています。Flowerの花瓶はその考え方を横に倒しました。正面から見ると、それぞれが押し花のように平らにした一輪の花の顔に見え、上端から小さな丸い口が立ち上がっています。横から見ると、薄い円盤です。シルエットそのものが花を語っているので、茎を1本も挿さないうちから、デイジーかパンジーかがわかります。
Lyngby Porcelænはこのアプローチを、厳格でほとんど幾何学的なものと説明しています。ニールセンは花びらを写実的に造形するのではなく、それぞれの花を最も特徴的な要素にまで削ぎ落とし、細い線や溝、面のわずかな変化にディテールを託しました。この抑制こそが、装飾的ではなくグラフィックに磁器を扱うブランドの姿勢とシリーズを結びつけています。Lyngbyといえばフルーテッド(縦溝)の表面で知られ、各作品の底のバックスタンプには今も「Est. 1936」と記されています。Flowerシリーズが、歴史ある窯の物語に加わった新しい章であることを思い出させる刻印です。フルーテッドの原点をまだご存じない方は、デンマークの名作Lyngby Vaseについての記事で背景をご覧ください。
4つの花、4つの輪郭
4つの花瓶は同じつくりを共有しながら、性格はそれぞれ異なります。色も高さも、花びらの表し方も一つひとつ違います。
Daisy(デイジー)、ホワイト、H21cm
Flower Vase Daisy H21 cm white porcelainは、最も大きく、最も緻密な一品です。デイジーの舌状花が黄色い中心から扇のように広がるように、なめらかでわずかに盛り上がった中心から、やわらかな波形の縁まで何十本もの細いリブが放射状に伸びています。白磁のリブは光と影を交互にとらえ、そばを通るたびに表情が変わります。サイズは高さ21cm、幅21cm、奥行き9cm。重さは1.2kgで、4種のなかで最も安定しています。

Pansy(パンジー)、ブルー、H17cm
Flower Vase Pansy H17 cm blue porcelainは逆のアプローチをとります。たくさんの細い花びらではなく、重なり合う少数の大きな花びらで構成されています。上に丸い花びらが2枚、左右に2枚、そして正面に幅の広い1枚があり、パンジーの「顔」にあたる位置に小さくつまんだような切れ込みが入っています。やわらかなブルーの釉薬と重なり合う輪郭が、シリーズで最も遊び心のある表情をつくっています。高さ17cm、幅17.5cm、奥行き7cm、重さ0.72kgです。

Morning glory(アサガオ)、グリーン、H14cm
Flower Vase Morning glory H14 cm green porcelainは、最も建築的な一品です。輪郭はゆるやかな5つの波形で、表面には浅いファセットが中心の一点に向かって折り込まれていきます。開く直前のアサガオの、ひだを寄せたラッパのような姿そのものです。落ち着いたグリーンの釉薬をまとうと、ファセットはまるで折り紙のように見えます。高さ14cm、幅14cm、奥行き6cm、重さ0.49kgです。
Buttercup(キンポウゲ)、サンド、H11.5cm
Flower Vase Buttercup H11.5 cm sand porcelainは、最も小さく、最も率直なデザインです。ボタンのように盛り上がった中心のまわりに、丸い花びら5枚がレリーフで表されています。淡いサンドカラーが全体を静かにまとめ、コンパクトなサイズのおかげで最も置き場所を選びません。高さ11.5cm、幅11cm、奥行き6cm、重さ0.345kgです。

数字で並べて比べる
平たい花瓶なので、置き場所を考えるときは高さと同じくらい奥行きが重要です。Lyngby Porcelænが公表している4種のサイズは次のとおりです。
| 花瓶 | カラー | 高さ | 幅 | 奥行き | 重さ |
|---|---|---|---|---|---|
| Daisy | ホワイト | 21 cm | 21 cm | 9 cm | 1.2 kg |
| Pansy | ブルー | 17 cm | 17.5 cm | 7 cm | 0.72 kg |
| Morning glory | グリーン | 14 cm | 14 cm | 6 cm | 0.49 kg |
| Buttercup | サンド | 11.5 cm | 11 cm | 6 cm | 0.345 kg |
注目したい点が2つあります。まず、どの花瓶も幅と高さがほぼ同じで、だからこそボトルではなく丸い花の顔に見えること。そして、奥行きはどれも9cm以下で、小さい2つはわずか6cmしかないことです。
奥行き6cmが置き場所を変える理由
一般的な丸い花瓶には、その幅とほぼ同じだけの設置面が必要です。Flowerの花瓶なら、細い帯状のスペースがあれば足ります。そのおかげで、ふだんは何も置かれない場所が使えるようになります。細い窓台、ピクチャーレール用の棚、本棚で背表紙の手前に残るわずかな縁、ラジエーターカバーの天板、洗面台の上の棚などです。奥行き6cmのMorning gloryとButtercupなら、一般的な一輪挿しでははみ出してしまう窓台にも収まります。
平たいかたちだからこそ、花瓶はいつも一番美しい面をこちらに向けています。壁や窓と平行に置けば、目に入るのは花の輪郭で、リブや花びら、ファセットの上を日の光が斜めに走ります。窓台では逆光が輪郭をくっきりとしたシルエットに変えます。縁の表情が最も印象的なPansyとDaisyには、特にこの置き方が似合います。
このかたちから導かれる実用上のポイントもいくつかあります。口は小さく丸いので、ブーケではなく、茎1本や庭で摘んだ小枝、ドライグラスを2、3本挿すための花瓶です。重さ1.2kg、奥行き9cmのDaisyは、人が通りがかりに触れるかもしれない場所に最も安心して置けます。人の行き来が多い廊下の細い棚に置くなら、軽いものは棚の奥寄りに置くのがおすすめです。
1つで飾る、ブーケのように並べる
Lyngby Porcelænはこのシリーズを、1つでも成り立ち、ブランド自身の言葉を借りれば「磁器のブーケのように」並べると特に映えるようデザインしました。段階的な高さがそれを助けています。21cmから11.5cmまで、どの花瓶もひとつ前より数センチずつ低くなっているので、4つを一列に並べるだけで、スタイリングに手をかけずとも自然に下がっていくラインができます。
1つだけ選ぶなら、部屋に決めてもらいましょう。白いDaisyは、Lyngbyのほかの白磁や明るい色の木と自然になじみます。ブルーのPansyとグリーンのMorning gloryは柄を加えずに色を添えられるので、本で賑やかな棚に向いています。サンドのButtercupは4種のなかで最も控えめなアクセントで、ベッドサイドの棚やキッチンの窓台のような小さなスペースにも最も気軽に置けます。
まとめて飾るなら、うまくいく並べ方が2つあります。窓台に高さ順に一列に並べると、ひとつの連なりとして見えます。Daisyを後ろに置き、小さいものを前へ段々に配すると、ブーケのアイデアに近いひとつのコンポジションになります。どれも平たいので、正面から少しずつ重ねるように置けば、スペースをほとんど増やさずに奥行きが生まれます。
磁器の花と暮らす
4種はいずれも施釉磁器で、お手入れは簡単です。湿らせた布で拭くか、食器洗い機で洗えます。DaisyのリブやMorning gloryのファセットには時間とともに少しほこりがたまるので、ときどき食器洗い機にかけるとレリーフのシャープさが保てます。口の細い花瓶はどれもそうですが、水はこまめに替え、内側の汚れが気になるときはボトルブラシを使ってください。
このシリーズの魅力は、何も挿していないときにも成り立つことです。窓台に置かれた平たい磁器のデイジーは、それだけで一輪の花であり、本物の茎を挿すことは、そこに仲間を添えることにすぎません。Flowerの花瓶をほかの陶器、磁器、ガラスのアイテムと一緒にご覧になるなら、花瓶&プランターのコレクションをどうぞ。
