KählerのTulleシリーズは、やわらかな縦溝が入ったブルーの陶器のベースで、高さは10.5 cm、13 cm、22.5 cmの3種類です。この記事では、そのかたちを特徴づけるもの、サイズごとの花との相性、そしてテーブルや棚で3つを組み合わせる方法を見ていきます。
Tulleのかたちを決めるもの
まず目に入るのは表面です。浅い縦溝が足元から肩まで細かく並び、角は立たずに丸みを帯びています。強い影を落とす深いリブではなく、布のひだのように見えるのが特徴で、名前の由来もそこにあります。チュールとはベールやバレエのスカートに使われる繊細な網地のこと。このシリーズは素材をそのまま模倣するのではなく、その軽やかさだけを借りています。
ベースにとって縦溝には実用的な役割もあります。無地の円筒には均一な光の帯がひとつ現れるだけですが、溝のある面は光を細いハイライトとやわらかな陰影の連なりに分けます。窓辺に置くと、朝の低い日差しでははっきりと、曇り空の下ではほとんど平らに見えるなど、一日のうちに表情が変わります。また手が掛かりやすいので、水をたっぷり入れたベースをシンクまで運ぶときにも安心です。
色は落ち着いた、ややチョークのような質感のブルー。白い壁や明るい木目にもよくなじみ、花と張り合わない穏やかさがあります。緑の茎、白いチューリップ、黄色のラナンキュラス、ドライグラスのどれもがくっきりと映えます。

3つの高さ、3つの役割
3つのサイズは家族のように見えるほど近く、それでいて似合う花が変わるほどプロポーションが異なります。下の寸法はKählerが示している数値そのままです。
| モデル | 高さ | 直径 | 重さ | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| Tulle Vase H10.5 cm | 10.5 cm | 9.5 cm | 0.18 kg | 短い小さな花束、庭の花を短く切って、ベッドサイドに |
| Tulle Vase H13 cm | 13 cm | 8.5 cm | 0.19 kg | 1、2本の一輪挿し、デスクや奥行きの浅い棚に |
| Tulle Vase H22.5 cm | 22.5 cm | 14.5 cm | 0.8 kg | ボリュームのある花束、枝もの、ダイニングやコンソールテーブルに |
H10.5 cm:低く、口が広い
Tulle Vase H10.5 cm blueは直径9.5 cmと、高さとほぼ同じ幅があります。このずんぐりとした比率は、短く切った花によく合います。ひと握りのスイートピー、数本のアネモネ、家庭菜園のハーブ、あるいはシーズン最後のバラを短く切って花首を口縁に預けるように。ベッドサイドや朝食のテーブルの隅など、花の近くに座る場所に向いたサイズで、部屋の向こうへの視線をさえぎることもありません。
H13 cm:一輪挿しのためのベース
Tulle Vase H13 cm blueはH10.5より背が高く、直径8.5 cmとより細身で、口元が細いネックへとすぼまります。このネックこそがポイントです。一本の茎が口縁にもたれずにまっすぐ立つので、チューリップ一輪、ダリア、ユーカリの小枝、花枝一本でも、寂しげではなく意図をもって生けたように見えます。重さは0.19 kgと小さいほうとほとんど変わらず、デスクや奥行きのある窓台で気軽に動かせます。
H22.5 cm:グループの要になる一点
Tulle Vase H22.5 cm blueは、ひとまわり違うスケールのオブジェです。直径14.5 cm、重さ0.8 kgで、しっかりした花束や、スーパーで買ったチューリップをそのままゆるく、また春の枝ものを数本生けるだけの幅と重さがあります。この重さが役に立ちます。背の高い茎は重心を上に引き上げますが、重い底があれば誰かがそばを通っても生けた花が安定します。

3つのサイズの組み合わせ方
縦溝と色はシリーズ全体で共通なので、3つのTulleベースはまとめて飾ってもごちゃついて見えません。変化は高さと幅だけから生まれ、それがグループにまとまりを与えます。
- 一列に並べる。 H22.5 cmを奥か片側に置き、その横にH13 cm、手前にH10.5 cmを。22.5 cmから13 cmへの大きな落差と、10.5 cmへの小さな段差が不揃いなリズムをつくり、サイドボードや奥行きのある窓台で自然に見えます。
- ゆるい三角形に。 丸いダイニングテーブルでは、手のひらひとつ分ずつ間隔をあけて小さな三角形に配置します。背の高いベースにはたっぷりと生け、小さな2つは控えめに。たとえばH13 cmに一輪、H10.5 cmには短い花を少しだけ。
- 小さな2つで。 H10.5 cmとH13 cmは重さが近い一方、シルエットは幅広と細長で対照的です。大きなベースでは窮屈になるベッドサイド、洗面所の棚、デスクによく合います。
- 繰り返す。 同じ小さなサイズを2つか3つ、長いテーブルに間隔をあけて並べると、ひと続きの花のランナーのように見え、会話の妨げになる視線も遮りません。
偶数より奇数のほうが肩の力の抜けた印象になりやすく、たっぷり生けたベースとほとんど空のベースを混ぜると、ディスプレイのような硬さがなくなります。Tulleは空のままでも様になります。縦溝そのものに見どころがあるので、花のない時期に棚に置いても未完成には見えません。
同じ考え方はKählerのほかのシリーズにも当てはまります。Kählerのベースを高さと色で組み合わせるガイドでは、OmaggioとHammershøiを同じように組み合わせる方法を紹介しています。

陶器という素材とKählerの工房
3つのベースはいずれも陶器製です。炻器や磁器より低い温度で焼成されるため、やわらかく温かみのある素地になり、Tulleの縦溝のような穏やかな凹凸のある表面によく合います。その反面、高温で焼かれた陶磁器に比べて熱や強い洗浄には弱いので、少しだけ気づかいが必要です。
Kählerは1839年、南シェラン島のNæstvedで創業し、以来その名はデンマークの陶芸と結びついてきました。現在のシリーズはレリーフや質感を重視する傾向にあり、Hammershøiの溝、Omaggioの手描きのライン、そしてTulleのやわらかな縦溝へと続いています。Tulleは装飾ではなく表面によって個性を与えられたシンプルなかたちとして、その系譜に自然に収まっています。
Tulleと暮らす:お手入れと置き場所
お手入れは簡単です。湿らせた布で拭き、洗うときは食洗機ではなく手洗いで。Kählerもこのシリーズでは食洗機の使用を推奨していません。細いH13 cmは、ボトルブラシを使うか、少量の水にひとつまみの米を入れて揺らすと、ネックの内側まで楽にきれいにできます。水は1、2日ごとに替えましょう。きれいな水は茎を長持ちさせ、内側に水あとが残るのも防ぎます。
縦溝のベースと暮らして気づいた、置き場所のヒントをいくつか。
- 縦溝がいちばん美しく見えるのは横からの光です。真上からの光よりも、窓の脇やテーブルランプの近くのほうが凹凸が際立ちます。
- オーク、リネン、白い大理石など、淡い色や自然素材の上ではブルーがはっきりと映えます。濃い色の面に置くとベースは控えめになり、花が主役になります。
- 陶器は引きずるとやわらかい木を傷つけることがあるので、上質な天板の上ではフェルトパッドや小さなトレイを使うとよいでしょう。
- 長い茎や枝は重心を上げるので、花を生けた背の高いベースは棚の端ぎりぎりに置かないようにしましょう。
まずひとつ選ぶなら、いちばん使い回しがきくのはH13 cmです。一輪の花ならいつでも手に入るからです。最初からグループで楽しみたいなら、3つそろえるとこのシリーズが目指したものがいちばんよくわかります。Tulleをほかの陶器、磁器、ガラスのデザインと見比べるなら、ベース&プラントポットのコレクションをご覧ください。
