63095_63251_PH-Louvre-Pendant-White.webp PH Louvre Pendant by Poul Henningsen for Louis Poulsen in white lacquered aluminium, thirteen stacked louvres
on September 26, 2026

PH Louvre Pendantを吊るす前に:高さ、重さ、そして13枚のシェードの仕組み

PH Louvre Pendantは、ポール・ヘニングセンが手がけた住宅向けのグレアフリー(まぶしさのない)球体照明の中で最も大きなモデルです。幅600 mm、高さ650 mm、組み立て後の重さは22.6 kg。この記事では、13枚のルーバーがどのように働くのか、これほどの高さのシェードをテーブル上に吊るすにはどれだけの垂直方向の余裕が必要か、そして取り付ける前に天井がどのような構造でなければならないかを解説します。

ルーバーの原理:13枚のシェードでつくるひとつの球体

ヘニングセンのペンダントの多くは3枚のシェードで構成されています。たとえばPH 5ファミリーは、上部のシェードと小さな2枚の下部シェードを重ね、電球を隠しながら光を下方と外側へ導きます。PH Louvreはこの考え方をそのまま何倍にも広げたものです。13枚の水平なシェードが4本の細い支柱に積み重ねられ、全体でひとつの光る球体として見えます。

各ルーバーはアルミニウムの細いリングで、中央の光源からの光が表面に当たり、下方と外側へ反射するよう角度がつけられています。横から見るとリング同士が重なっているため、真下に立っても、横に立っても、上の階段から見下ろしても、光源を直接目にすることはありません。代わりに見えるのは、内側の縁が最も明るく外側に向かって柔らかく消えていく、光の帯の連なりです。目は球体全体を均一な明るさとして捉えるため、このランプは明るい一点と影になった頂部ではなく、完全な光の球として輝きます。

このデザインは、コペンハーゲン北部スコーズボーのアドベンチスト教会からの依頼をきっかけに生まれ、ヘニングセンがオーフス大学のためにつくった、はるかに複雑なSpiralペンダントで探求したアイデアを凝縮しています。Spiralは野心的で製作の難しい照明でしたが、Louvreは同じ「光を重ねる」考え方を、より穏やかで再現性のあるかたちへと昇華させました。ルイスポールセンが今も製造を続けているのはそのためです。

コペンハーゲンのインテリアに吊るされたホワイトのPH Louvre Pendant。積み重なった13枚のルーバーがひとつの球体として光っている
横から見ると、重なったルーバーは光源ではなく、光の帯として見えます。

素材、光源、調光

シェードはホワイト塗装のアルミニウム製で、上面は高光沢、下面はマット仕上げです。この使い分けには明確な意図があります。各ルーバーの光沢のある上面は光を受けて室内へと送り出し、マットな下面は、ランプを見上げたときの光をやわらかく拡散させます。リングを支えるフレームは光沢のあるクロームめっきアルミニウム。ペンダントは長さ4 mのホワイトのファブリックコードで吊るされ、キャノピーが付属します。

  • 光源:LED一体型、96 W、2700Kまたは3000Kから選択。
  • 調光:CasambiアプリによるBluetooth調光に対応し、専用の壁付け調光器は不要です。
  • 保護等級:IP20、屋内用。

色温度の選択は、スペック表から想像する以上に大きな違いを生みます。2700Kではホワイトの塗装がややクリームがかった温かみのある色合いになり、木の床や夜のダイニングによくなじみます。3000Kでは球体がよりすっきりと清潔な印象になり、白い壁と天窓からの光がある階段室などに合わせやすくなります。LEDは一体型なので、選べるのは一度きり。実際にランプを吊るす部屋を基準に選んでください。

フランスの吹き抜けのある住宅インテリアに吊るされたホワイトのPH Louvre Pendant
天井の高い部屋では、球体が家具から離れて浮かび、どの方向からも眺めることができます。

高さ650 mmのシェードをどの高さに吊るすか

ダイニングテーブル上のペンダントは一般的に、シェードの下端がテーブル面から約60~70 cmになるように吊るします。テーブル面を照らせる低さでありながら、向かいの人との視線を遮らない高さです。多くのペンダントなら計算はこれで終わりですが、PH Louvreの場合はここからが始まりです。シェードそのものの高さが650 mmあるからです。

一番下のルーバーをテーブルから60~70 cmの位置にすると、シェードとキャノピーの間のコードを考えなくても、球体の頂部はテーブル面から約125~135 cmの位置に来ます。この数値にテーブルの高さを加えれば、ダイニングの高さでランプを吊るすための現実的な最低天井高がわかります。一般的な天井高の部屋ではすぐに余裕がなくなり、球体が浮かんで見えるどころか、テーブルと天井の間に押し込まれたように見えてしまうことがあります。

だからこそPH Louvreは、高さのある空間で最も映えます。吹き抜けのリビング、ゆったりとしたエントランスホール、階段室、あるいは勾配天井や高天井のダイニングなどです。階段室ではルールがまた変わります。ランプは下から、横から、そして階段を上るにつれて上からも見られるため、優先すべきは人が通るための十分なクリアランスと、球体全体がきれいに見える位置です。吹き抜けの中央に、階段から誰の手も届かない高さで吊るし、あとはルーバーに任せましょう。

シリーズ全体のテーブルの高さとシェードサイズについては、ガイド「ダイニングテーブル上のPHペンダントを吊るす高さ」で詳しく紹介しています。

幅600 mm、高さ650 mmを示すPH Louvre Pendantの寸法図
幅600 mm、高さ650 mm。球体は幅とほぼ同じだけの高さがあります。

22.6 kgを天井に固定する

写真で光る姿を見ていると、PH Louvreの重さは見落としがちなポイントです。22.6 kgは本格的な荷重です。比較のために挙げると、PH 5/5 PendantはE27仕様で5.9 kg、LED一体型で8.7 kg。Louvreは軽いほうのほぼ4倍、重いほうの2.5倍以上にもなります。Louvreと同じ650 mmの高さを持つØ 720サイズのPH Artichoke Pendant Lampでさえ、12.4 kgからです。

実際には、次の3つを意味します。

  1. 石膏ボードではなく構造体に固定する。石膏ボードの天井だけでは、この重さを支える固定点にはなりません。吊り具は根太、コンクリートスラブ、あるいはそのために根太の間に設けた木製の下地材にしっかり固定する必要があります。
  2. 天井側の取付金具の耐荷重を確認する。天井ボックスやフックの多くは一般的なペンダント向けにつくられています。ボックス、フック、ブラケットがこの荷重に対応しているかを電気工事士に確認してもらい、対応していなければ交換してもらいましょう。
  3. 取り付けは2人で行う計画を。コードを接続しながら直径600 mmの球体を天井の高さまで持ち上げるのは、1人でできる作業ではありません。階段の吹き抜けではなおさらです。

ランプが届く前に計画しておきましょう。新築やリノベーションで天井が開いているうちなら、下地材や耐荷重のある取付金具を追加するのは簡単です。天井が仕上がった後では、切り開いて補修することになります。

PH Louvre、PH 5/5、PH Artichokeの比較

天井高や天井の構造からLouvreが難しい場合でも、ヘニングセンのほかの2つのペンダントが、異なるかたちで同じようなグレアフリーの魅力を備えています。

PH Louvre PendantPH 5/5 PendantPH Artichoke (Ø 720)
サイズ(mm)600 x 650 x 600500 x 430 x 500720 x 650 x 720
重量22.6 kg5.9 kg(E27)/ 8.7 kg(LED)12.4 kg~
シェードホワイト塗装アルミニウムのルーバー13枚3枚シェード、ブラック塗装アルミニウム、内側ホワイト(またはオパールガラス)12段72枚のリーフ、スチール
光均一な球状の輝き主に下方向、横にやわらかな光彫刻的、リーフからリーフへの反射
おすすめの空間吹き抜けの部屋、階段室、広いホール一般的な天井高の下の大きめのダイニングテーブル存在感のあるダイニングや階段室の主役に
3枚のシェードを重ねたソフトタッチメタルブラックのPH 5/5 Pendant
PH 5/5 Pendant:直径500 mmの3枚シェードシステムで、重さはLouvreのごく一部です。

PH 5/5は光の多くをテーブルに向けて下方へ届け、高さ430 mmなので一般的な天井の下にもはるかに無理なく収まります。Artichokeはより彫刻的な選択肢で、リーフが光を捉える表情は、なめらかなルーバーにはないものです。PH Louvreは3つの中で最も穏やかな存在。ひとつの白い球体が、空間を中心から外へと照らします。さまざまなかたちやサイズを比べるなら、ペンダントランプのコレクションをご覧ください。