アルネ・ヤコブセンの Station クロックには Ø16.5、Ø21、Ø29、Ø48 cm という4つの壁掛けサイズがあり、同じグラフィックな文字盤でもサイズごとに振る舞いがまるで違います。考えるべきなのは写真でどれが映えるかではなく、実際に時刻を読みたいときに自分がどれだけ離れて立っているか、という点です。以下では4つのサイズを、奥行、重量、読み取り距離、そして必要になる壁の広さで比べていきます。
部屋の向こうから読むために描かれた文字盤
Station クロックはもともと1941年に電気機器メーカー LK のために設計され、現在は Rosendahl Design Group が手がけています。グラフィックな文字盤はブラックアルミニウムのトップリングによって際立ち、ケースはミネラルガラスのレンズ、アルミニウムのボディ、ABS で構成されています。小さい3サイズはバッテリー式のムーブメントを採用し、電池は常に同梱されるわけではありません。手入れは簡単で、レンズとリングを乾いた柔らかい布で拭くだけです。
ヤコブセンが描いた時計はいずれも建築の仕事から生まれたもので、文字盤は間近で眺めるためではなく、ホールの反対側から読むためのものでした。その制約から生まれたのが、今も生産が続く Bankers、Roman、Station、City Hall の4シリーズです。どれも太い針、最小限の目盛り、浅いケースという性格を共有しています。サイズではなくシリーズで迷っている段階なら、アルネ・ヤコブセンの壁掛け時計のガイドが4つの文字盤を並べて見せてくれます。
Station の4サイズを比べる

| Station 壁掛け時計 | Ø16.5 cm | Ø21 cm | Ø29 cm | Ø48 cm |
|---|---|---|---|---|
| ケースの奥行 | 5 cm | 5.4 cm | 6.3 cm | データ記載なし(Ø48 の Bankers と Roman の文字盤は 7.8 cm) |
| 重量 | 0.55 kg | 0.92 kg | 1.44 kg | データ記載なし(Ø48 の Bankers と Roman の文字盤は約 4 kg) |
| 素材 | ミネラルガラスのレンズ、アルミニウムケース、ABS | ミネラルガラスのレンズ、アルミニウムケース、ABS | ミネラルガラスのレンズ、アルミニウムケース、ABS | データ記載なし |
| 実用的な読み取り距離 | 1–2 m | 2–3.5 m | 3.5–6 m | 6–12 m |
| ほしい壁の余白 | 幅およそ 35 cm から | 幅およそ 45 cm から | 幅およそ 60 cm から | 幅およそ 1 m から |
| 向いている場所 | デスク前の壁、書斎、小さなキッチン | キッチン、ホームオフィス、寝室 | リビング、廊下、オープンキッチン | 階段室、吹き抜けの部屋、工房やスタジオ |
直径だけを並べても見えてこない点が2つあります。ひとつは Ø29 cm で、6.3 cm の奥行とは別に 6.5 cm の高さがデータに書かれている唯一のサイズです。ケースがリングよりわずかに前へ出ているためです。もうひとつは Ø29 から Ø48 への跳び方で、その下の段差よりはるかに大きく、文字盤の面積はおよそ3倍になり、質量も同じように増えます。
決め手になるのは読み取り距離
壁掛け時計は、掛けた場所からではなく、ふだん立っている場所から読めてこそ意味を持ちます。実際に読む位置まで歩き、実際の明るさのなかで距離を測ってみてください。以下の範囲は仕様ではなく実用的な目安で、Station の文字盤が使う白地に黒針という条件を前提にしています。
- Station Wall clock Ø16.5 cm white/blackは 1–2 m 向き。デスクまわりの相棒のようなサイズで、作業台の脇の壁、狭い廊下の折り返し、カウンターから目をやる細長いキッチンに収まります。0.55 kg なので掛ける下地をほとんど選びません。
- Station Wall clock Ø21 cm white/blackは 2–3.5 m 向き。もっとも日常的なサイズで、キッチンやホームオフィスが最終的に落ち着くのもたいていこれです。壁を占領せずに、普通の広さの部屋を横切って読めます。
- Station Wall clock Ø29 cm white/blackは 3.5–6 m 向き。リビング、オープンプランのキッチン、数メートル離れて通りすがりに時刻を見る廊下に。Ø29 cm になると、時計は小物ではなく部屋の構成要素になります。
- Station Wall Clock Ø48 cm White/Blackは 6–12 m 向き。ヤコブセンが整えていたような空間のために描かれた建築的なフォーマットで、階段室、吹き抜けのリビング、スタジオや工房のためのサイズです。

壁の幅と、隣に掛けるもの
計算の半分は直径ですが、残りの半分は周囲です。これだけコントラストの強い文字盤には静かな余白が要り、両側に直径のおよそ半分ずつ壁を空けておくとうまく収まります。つまり Ø29 cm の時計なら 60 cm ほどの途切れない面がほしいわけで、扉と扉のあいだの細い壁は候補から外れ、暖炉まわりの出っ張りやサイドボードの上の壁が残ります。
高さも効きます。立って見る人の目線より少し上に文字盤の中心が来るように掛け、階段室では上っていく段のためではなく、振り返って見る踊り場のために高さを決めます。壁に複数の器具を並べたいときは、時計をいちばん大きな要素として残し、小さいものは取り囲まずに片側へまとめます。
48 cm の文字盤をきちんと留める

奥行はレンジのなかで緩やかにしか増えません。Ø16.5 で 5 cm、Ø21 で 5.4 cm、Ø29 で 6.3 cm ですから、小さい3サイズはどれも廊下へ大きく張り出しません。重量の伸びはもっと速く、0.55 kg、0.92 kg、1.44 kg と上がります。Ø29 cm までなら、しっかり効かせたビス1本か標準的な石膏ボード用の下地材で足ります。
Ø48 cm は別の領域にあります。このサイズ自体の奥行と重量は製品データに記載がありませんが、姉妹シリーズ Bankers と Roman の Ø48 cm の文字盤は奥行 7.8 cm、重量 4.03 kg と 4.01 kg なので、その程度を見込んでおくのが妥当です。4キロはピクチャーフックの守備範囲ではありません。木造の壁なら間柱を探し、そこへビスを打ちます。組積造なら荷重に見合ったプラグとビスを使います。掛けたい位置の裏に間柱がない石膏ボードでは、摩擦頼みのプラグではなく中空壁用アンカーを入れ、金具が直角に座ってリングが水平に下がるか確かめます。一度ていねいにやっておく価値があります。このサイズの文字盤は、傾きをわずかでも残すとそのまま見えてしまうからです。
どの部屋にどのサイズか
多くの住まいでは、選択肢はすぐに絞れます。キッチンやホームオフィスなら Station Wall clock Ø21 cm white/black に落ち着きます。奥行のあるリビングや廊下には Station Wall clock Ø29 cm white/black が向き、壁に時計だけを掛けるときにもっともオブジェとして読めるのもこのサイズです。デスクまわり、書斎、コンパクトな住まいには Station Wall clock Ø16.5 cm white/black のほうが合い、天井が低くても文字盤の比例が保たれます。Station Wall Clock Ø48 cm White/Black は天井が高く視線の抜けが長い場所のためのもので、取り付けに手間をかけただけの見返りがあります。
壁一面あるいは住まい全体を整えるなら、同じ文字盤のテーブルタイプが壁掛けとよく並びます。Bankers の文字盤はバロメーター、温度計、湿度計にも使われていて、横一列に掛けるときれいにまとまります。レンジの残りはClocks コレクションでご覧ください。
